2008 Fiscal Year Annual Research Report
内部配列空間発光物質を適用した有機電界発光トランジスタの開拓
Project/Area Number |
08F08372
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
谷垣 勝己 Tohoku University, 原子分子材料科学高等研究機構, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YAN Wang 東北大学, 原子分子材料科学高等研究機構, 外国人特別研究員
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Keywords | 電界効果型素子構造 / 有機半導体 / 単結晶 / 電界制御発光 / 界面制御 |
Research Abstract |
本研究の目的は、両極性有機半導体を用いた電界効果型素子(FET)構造による、レーザ発光トランジスタの実現を目指すことである。この目標を達成するため、H20年度においては有機半導体層との界面にレーザ素子実現に必要な高濃度のキャリアを集めることを目指し、絶縁膜の高精度制御技術の開拓をおこなった。その結果、高度に精製した原料から作成した高品質ルブレン単結晶を半導体層とする有機単結晶FETにおいて、自己組織化単分子膜やPMMAといったポリマー層などでゲート絶縁膜表面を修飾することにより、電子トラップが軽減され電子と正孔のキャリア数がうまくバランスしたFET素子を作成することに成功した。また、μmスケールのFET素子からの電界発光を観測するため、グローブボックス内で既存のマイクロプローバーシステム、CCD検出器、高倍率顕微鏡、スペクトロメータなどを組み合わせ、FET素子の特性を低下させることなく観測できる高感度発光検出システムを構築した。そしてルブレン単結晶FETからの、電子と正孔の再結合による電界制御可視発光の観測に成功した。本成果は、電界制御レーザ発光トランジスタ素子実現に向けた基礎段階である高性能有機単結晶素子構造の最適化、およびレーザ特性評価の基盤となるトランジスタ動作と発光観測の同時制御システム構築を意味し、H21年度以降行われるFET構造によるレーザ発光トランジスタの実現を図る上で欠かすことのできないものである。また半導体物性研究においても、ゲート絶縁膜表面修飾によるFET特性制御はデバイス界面制御の観点から興味深い。
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Research Products
(3 results)