2009 Fiscal Year Annual Research Report
内部配列空間発光物質を適用した有機電界発光トランジスタの開拓
Project/Area Number |
08F08372
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
谷垣 勝己 Tohoku University, 原子分子材料科学高等研究機構, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WANG Yan 東北大学, 大学院・理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 電界効果型素子構造 / 有機半導体 / 単結晶 / 電界制御発光 / 界面制御 |
Research Abstract |
本研究の目的は、両極性有機半導体を用いた電界効果型素子(FET)構造によるレーザー発光トランジスタの実現である。この目的を達成するため、平成21年度においてはレーザー発振に必要な高電流密度を得ることを目標に、ルブレン単結晶を用いたFETに注目し、金とカルシウムの非対称電極を用いて正孔、電子の同時注入(両極性動作)を実現した。また、FET特性の最適化を図るため、SiO_2ゲート絶縁膜表面をPMMA、パリレン-C、HMDS等で修飾してその効果を解析し、電気励起発光のために有利なFET構造を見出すことができた。この知見を生かし、更に有機半導体として2,5-bis(4-biphenylyl)bithiophene(BP2T)を用い、発光素子の作製を行った。このデバイスのFET特性測定を行い正孔と電子の移動度を求めたところ、それぞれ、0.04cm^2/Vs、0.02cm^2/Vsであり、正孔と電子の注入バランスがよいことから、発光素子用の有望な有機半導体材料であると考えられた。実際に、発光特性の観測を行ったところ、電気励起によってBP2T単結晶のエッジから強い発光が認められ、また、ゲート電圧とドレイン電圧を調整して、正孔と電子の注入量を変化させることにより、発光位置(ソース、ドレイン電極間のどの位置で発光するか)を変化させることにも成功した。レーザー発光のためにはこれまでに実験した素子よりも更に大きな電流密度が必要と考えられるが、異方性の大きい有機結晶の場合、電子の移動度が結晶方位に大きく依存することが知られており、結晶方位の最適化もレーザー実現のための今後の重要な課題である。
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Research Products
(13 results)