2008 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ流体/電気化学センサーを用いたRNA/DNAのハイスループット解析
Project/Area Number |
08F08374
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
民谷 栄一 Osaka University, 大学院・工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
AHMED Minhaz Uddin 大阪大学, 大学院・工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | μTAS / rapid PCR |
Research Abstract |
RNA/DNA分子のハイスループット検出を目指した集積化マイクロフロー型電気化学センサーの開発に関する研究を行う。このため、DNA増幅部位や試料抽出、電気化学分析部位などの機能を一枚のチップ上に集積が可能なデバイスの設計と作製を検討する。この多機能化させたチップ上において、固形物や液体、あるいはエアロゾルなどのサンプルからハイスループットな遺伝子増幅を試みるとともに、低コピー数のターゲットDNAの電気化学的な検出を検討する。今年度は、はじめに、モデル試料として枯草菌(Bacillus subtilis168)を、目的DNAとして16S rDNAを選択し、従来のPCR法によるDNA増幅と印刷電極を用いた電気化学的な増幅産物の検出法の確立を行った。枯草菌DNAの増幅にかかる温度、DNAポリメラーゼ濃度などの諸条件を検討した結果、100ゲノムコピーからの16S rDNAの増幅が可能であった。また、独自のHoechst33258-DNA凝集法による増幅産物の簡易電気化学検出法を検討した結果、初期濃度1000ゲノムコピーからの増幅産物の電気化学検出が可能であった。さらに、ソフトリソグラフィー技術に基づいて、PDMS/ガラス製のマイクロ流路チップの設計・作製を行い、作製したチップを用いてオンチップPCR増幅も試みた。表面処理、流速、温度など諸条件を検討したところ、目的とする枯草菌由来DNAをわずか7分で増幅することに成功した。また、回収した増幅産物の電気化学計測による検出も可能であった。これらの結果より、病理診断、食品検査、遺伝子検査、バイオテロ防御などへのオンサイト迅速検出への応用の可能性を見出すことができ、広範な分野への貢献が期待できる。次年度において、オンチップPCR増幅の定量性を検証する。
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