2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08F08382
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 研 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HOANG Tri Hai 東北大学, 大学院・工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 飽和磁化 / 窒化鉄 / ナノマグネット / 直接合成 / 間接合成 |
Research Abstract |
ナノマグネットを用いたデバイス・電気機器特性の革新的向上を目指した新規永久磁石材料の実現を念頭に、巨大飽和磁化の可能性を秘めた窒化鉄ナノマグネットの間接あるいは直接合成技術の確立を目的とする。本年度は、直接合成用として鉄原子と窒素原子を含む前駆物質の高品位合成を行い、Fe基ナノ粒子の合成を行った。臭化鉄と窒化リチウム系原材料を用いて鉄と窒素原子を含む有機金属錯体をグローブボックス内で合成し、得られた前駆体を一定ガス圧力の水素ガスで充填した反応容器内において150℃の溶媒中で熱分解することによりナノ粒子を得た。得られたナノ粒子は粒径が3nm以下と非常に小さく、強磁性共鳴スペクトルの結果から、2つの磁気共鳴が観測された。このことから、合成したナノ粒子には、磁気異方性の異なる二相が混在することが明らかとなった。 また、間接合成用の前駆ナノ粒子である酸化鉄ナノ粒子では、酸化が最も進行したマグヘマイト相ナノキューブに対し無極性溶媒中において250℃~300℃で還流することにより、キューブ形状および溶媒中への均一分散状態を維持しつつマグネタイト相への相転移が可能であることを示した。さらに、還元したマグネタイト相ナノキューブに対し酸化雰囲気で還流することにより、再度、マグネタイトからマグヘマイト相へと相転移させることに成功した。以上の結果から、酸化鉄ナノキューブを可逆的に酸化・還元制御可能なプロセス技術を獲得した。
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Research Products
(4 results)