2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08F08382
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 研 Tohoku University, 未来科学技術共同研究センター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HOANG Hai Tri 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 飽和磁化 / 窒化鉄 / ナノマグネット / 直接合成 / 間接合成 |
Research Abstract |
ナノマグネットを用いたデバイス・電気機器特性の革新的向上を目指した新規永久磁石材料の実現を念頭に、巨大飽和磁化の可能性を秘めた窒化鉄ナノマグネットの間接あるいは直接合成技術の確立を目的とする。本年度は、間接合成用あるいは直接合成用前駆物質の高品位合成手法の確立を目的に、間接合成に用いる酸化鉄ナノ粒子原材料である鉄オレエートの合成を行い、それを熱分解することにより酸化鉄ナノ粒子の合成を行った。塩化鉄を出発材料として、ナトリウムオレエート添加量、反応温度および反応時間を最適化することにより鉄含有錯体を合成することに成功した。本錯体を用いて250℃〜330℃で熱分解を行うことで酸化鉄ナノ粒子の合成に成功し、特に、粒子形態がキューブ状をしたナノキューブ粒子が得られることが分かった。また、ナトリウムオレエート添加量によってナノキューブ粒径を9nmから22nmまで制御することに成功した。このようなナノキューブ形状をした粒子は、特定の結晶面({100}面)で構成されている。今後、他の特定結晶面を選択的に成長させたナノ粒子を合成することが可能となれば、これら粒子を前駆ナノ粒子として間接合成で窒化鉄ナノマグネットを合成した際、窒化過程の結晶面方位依存性などの有益な知見が得られる。また、飽和磁化の観点から現状で得られている値はバルク値より小さく、マグネタイト、マグヘマイト以外の相との混相となっている可能性が示唆された。
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