2009 Fiscal Year Annual Research Report
高誘電率絶縁膜界面の存在する電気的双極子層の検出とその起源に関する研究
Project/Area Number |
08F08383
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鳥海 明 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZHU Liqiang 東京大学, 大学院・工学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ダイポール / XPS / 高誘電率膜 / しきい値 / 結合エネルギー |
Research Abstract |
高誘電率絶縁膜(High-k膜)をゲート絶縁膜に用いたCMOSトランジスタのしきい値は,SiO2を用いた従来のトランジスタとは大きく異なるものとなってしまい,現在大きな問題となっている。その主たる原因のひとつが,High-k膜とSiO2膜との界面で形成されるダイポールであることを我々の研究室において突き止めたが,その微視的起源がいまだ不明のままである。そこで、本研究では光電子分光測定(XPS,UPS)を活用しつつ,High-k/SiO2界面に存在するダイポールを定量的に評価し,High-k材料によるダイポールの違いを明確化することを目的としている。 実際には、XPS測定によりHigh-k/SiO2界面のダイポールの直接的な検出をすすめた。ダイポールの存在によってその界面で真空準位が変化することに対応して,内殻準位から放出される光電子のみかけ上のSiの結合エネルギーが変化することを利用した測定をこころみた。XPSでは結合エネルギーの絶対測定はチャージアップなどの効果によって難しいが、SiO2膜上のHigh-k膜の有無、あるいはHigh-k膜の種類による界面SiO2層内のSiの結合ネルギーが相対的に違うという事実からダイポールの存在を明確にすることができた。今回の結果から、High-k/SiO2界面におけるダイポールの存在が異なる測定によって明らかになったと言える。本内容は国際専門誌への掲載が受理され、現在はさらにHigh-k膜の厚さの効果に向けた次のステップをめざしているところである。
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Research Products
(4 results)