2009 Fiscal Year Annual Research Report
InAs量子ドットを用いた面型構造超高速全光スイッチの研究
Project/Area Number |
08F08385
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
和田 修 Kobe University, 工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JIN Chaoyuan 神戸大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 量子ドット / 光スイッチ / 面型光デバイス / サブバンド間遷移 / 超高速光非線形 |
Research Abstract |
本年度は、InAs量子ドットを用いた面型光スイッチングデバイスの特性解析を行い、光応答特性の高速化のためのデバイス構造、および干渉計配置による超高速デバイスの可能性について研究した。 量子ドットを多層膜分布帰還型共振器構造中に配置した面型光スイッチデバイス構造を作製してその光学特性を検討した。本デバイスでは、励起光パルスによって生ずる量子ドットの吸収飽和と屈折率変化に伴う共振器反射率変化を利用する。実験で得られた特性データの詳細な解析、特に応答速度特性の入射光の角度依存性の解析を行った結果、電子励起準位から基底準位へのサブバンド間遷移による高速緩和特性を考慮する事によって、角度依存性を説明できることを明らかにした。これらの検討から、現状の試料で20ps程度の高速光応答の実現性が明らかになった。また、反射率変化を最大化するための共振器構造を検討し、前面側・背面側の多層膜周期の最適化を行って、性能向上の指針を得た。さらに、電子緩和速度の高速化に向けて、量子ドットの近傍に量子井戸を配置して電子の高速移動を生じさせる構造を考案し、基礎特性を調べた。その結果、電子の高速トンネル移動を確認し、構造の最適化を通じて今後デバイス高速化への応用が期待できる事を明らかにした。 一方、マッハツェンダー干渉計配置により光スイッチの位相変化量の精密測定ができるか否かの基礎検討を行い、基本的な可能性を確かめることが出来た。次年度における特性測定、さらには超高速光スイッチング・モジュールのための構成として、極めて有用な構成法であることを明らかにしたこの結果により、面型光スイッチの超高速化を含めた特性向上に関する重要な知見を得た。
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Research Products
(5 results)