2009 Fiscal Year Annual Research Report
難分解性溶存有機態と窒素負荷が河川一次生産量に及ぼす影響評価
Project/Area Number |
08F08393
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
藤野 毅 Saitama University, 大学院・理工学研究科, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LOKUHEWAGE Asha U.M. 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 付着藻類 / 溶存有機物 / 学習部分空間法 |
Research Abstract |
本研究は、近年、多くの河川で指摘されている窒素の増加に加えて、フミン酸などの難分解性溶存有機物質が藻類の増殖にどのように影響を及ぼすかを調べることが目的であり、その水質を調べる手法として、サンプル水の吸光スペクトル分布を測定し、そのデータから主成分分析を基礎とした学習部分空間法のアルゴリズムを用いて、形が不定形である腐植物質を主とする溶存有機態のスペクトル特性を調べることを試みる。この結果を、近年多くで使用されている蛍光分析による腐植物質の波形特性と照らし合わせる。これまでのところ、本手法は、種々の光特性を持つサンプル水中に存在する植物プランクトンなどを簡便に抽出する方法として、これまで多種のプランクトンが混在する自然淡水のサンプルからシアノバクテリアをはじめとする特定種を抽出することやその定量化に成功している。ここで、難分解性溶存有機物質の由来は様々であるため、国際腐植物質学会および日本腐植物質学会を購入し、その特性から調べている。 また、藻類の光合成活性を非破壊で調べる方法として、室内実験によりクロロフィルaの励起蛍光を直接測定し、礫に付着した藻類群集の量子収率を測定した。自然河川中の溶存有機物の濃度は1-2mg/Lであるが、リターを投入して濃度を6-7mg/L程度に高くして同様の測定を行った場合、量子収率が5~10%増加した。
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