2010 Fiscal Year Annual Research Report
難分解性溶存有機態と窒素負荷が河川一次生産量に及ぼす影響評価
Project/Area Number |
08F08393
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
藤野 毅 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LOKUHEWAGE Asha U.M. 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 二段階線形回帰法 / 植物プランクトン / 溶存有機物 |
Research Abstract |
本研究では、植物プランクトンは種ごとに含まれる色素が異なることから独自の色調を有することに着目し、吸光スペクトル分布のわずかな違いからサンプル水に含まれる植物プランクトンの種類をその存在壁を推定する手法として、二段階線形回帰法(Two Step Linear Regression Analyses, TSLR)を提案している。また、自然淡水中の主な着色成分は、植物プランクトンとその死骸などによる溶存分解有機炭素(Dissolved Organic Carbon)、および粒子状の懸濁物である。二段階線形回帰法ではこれらの各種藻類および溶存有機物を含んだ水の吸光スペクトル強度が各波長地域でそれぞれの存在量に対して一次の比例関係にあることを仮定し、線形回帰分析により波長毎の濃度に対する吸光度の勾配(勾配ベクトル)を決定する。複数の植物プランクトンおよびDOCが存在する水の吸光スペクトルはこれらの勾配ベクトルの線形結合であり、可視光域における吸光スペクトル強度値から重回帰分析により求められる係数により、それぞれの存在量を推定した。 室内実験では、4種類の植物プランクトンを一定条件化で培養し、DOCを合わせて5種類のサンプルについて勾配ベクトルを決定した後、混合サンプルに対して重回帰分析を適用し、それぞれの量を推定することが確認された。さらに、異なる勾配ベクトル間の角度が大きいものほど推定誤差が小さくなることから、主成分分析による次元圧縮を行い、勾配ベクトルを3次元部分空間に展開することにより、この状況を可視化することができた。但し、難分解性溶存有機物の区別に対しては現段階では困難である。
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