2008 Fiscal Year Annual Research Report
交通需要の確率変動を考慮した信号制御のインターグリーン時間の設計
Project/Area Number |
08F08396
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
桑原 雅夫 The University of Tokyo, 生産技術研究所, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
唐 克双 東京大学, 生産技術研究所, 外国人特別研究員
|
Keywords | インターグリーン / 右折車 / 安全 / 容量 |
Research Abstract |
当該年度に実施した研究の成果については,下記の通りである. 1)アメリカのITEやドイツのRiLSAおよび日本の「交通信号の手引」などを比較して,それぞれの方法の不十分なところを明らかにした.各国の黄時間の設計方法は基本的に同じであるが,日本の設計方法から計算した全赤時間は比較的長いことともに各国の設計方法はすべて決定的方法であるため,実際の交通状況を確率的と捉えると十分に表現できないことがわかった. 2)インターグリーン時の車両挙動に影響に与える要因を整理した.黄開始時の速度,運転者の特徴,交差点規模,交通量,サイクロ長,黄・全赤時間の長さといった要因は赤信号を無視する行動に著しい影響を受けることがわかった.そこで,車両挙動および交差点の性能において,決定的・確率的な観点から,現在の安全性・容量評価方法の再検討を行った.その結果,現在の方法は以前の要因より車両挙動の変化を考慮していないため,様々な条件下の交差点性能を事前に評価できないことがわかった.また,現在の方法では交通流を確率的に捉えることができていないことを明らかにした. 3)1)と2)に基づいて,さらに右折車専用現示がない・右折車専用現示かおる,交差点構造(規模・形状)・車両タイプ(大型車・普通車)に応じてインターグリーン時の右折車の安全(必要な全赤時間)・容量(損失時間)を理論的に分析した.それの整合性を確認するために,東京都内における日本の典型的な十字交差点(日比谷・青山一丁目)で撮影調査およびデータ分析を行った.分析結果,現在日本の台数ベースの損失時間の評価方法を用いると,右折車専用現示がない場合には,推定値は観測値より小さいが,右折車専用現示がある場合には,推定値は観測値より大きいことがわかった.そこで,時間ベースの評価方法を提案した.提案した方法より推定した結果は実際値に近いことがわかった.また,日本の全赤時間の設計方法から計算した全赤時間は現状の交通状況に対して必要以上に長く設定されていることを実証した.
|
Research Products
(2 results)