Research Abstract |
2008年度後半において,提案した研究の初期段階に取り組んだ.最初に,時間枠制約を有する動的な配車配送計画問題(D-VRPTW)に関して広範に文献検索を行った.本研究の基礎となる多くの有用な研究を検索したが,本研究の目的であるセミソフトタイムウィンドウを有する配車配送計画問題(VRPSSTW)の厳密解法に対し,旅行時間の可変性を組み込むことに着手されていないことが確認された.さらに,既往の研究において,動的なモデルとして,大抵顧客の需要変動に集中していることも確認された.一方,一部の研究者はD-VRPTWにおいて旅行時間の可変性に焦点を当てている.さらに,D-VRPTWに対するほとんどの解法アプローチは,挿入法や局所探索のような近似解法に基づいている. セミソフトタイムウィンドウを有する動的な配車配送計両問題(D-VRPSSTW)の全般的な枠組みは,以下のように提案される.予測されたデータによる静的なVRPSSTWの列生成法に基づく厳密解から得られる事前最適ルートから始め,D-VRPSSTWを複数デポD-VRPSSTWに分解する.複数デポD-VRPSSTWは,車両がデポに割当てられた時点で,定められたルートに沿って最初の顧客をダミーデポとして考慮することによって得られる問題である.分割された資源制約,遅刻ペナルティ付き初等的最短路問題(ESPPRCLAP)が子問題として解かれる.この段階において,それぞれのデポにおいて車両の残りの容量を組み込む.子問題から生じる負の限界費用を有する候補のルートは,集合分割主問題における線形計画問題を増加させる.こうして,顧客の要求が生じるたびに,新たに得られた旅行時間に基づき,ルートが再び最適化される.上述の枠組みを,2008年11月シンガポールにおいて京都大学とシンガポール国立大学により共催されたシティロジスティクスに関するジョイントセミナーにおいて紹介し,議論した.来年度は,D-VRPSSTWにおける厳密解法をコード化し,シミュレーションされたデータセットだけでなく実践的なデータセットにおいても検討を行う.
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