2008 Fiscal Year Annual Research Report
サブストラクチャ法を用いた次世代振動台実験法の開発
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08F08399
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中島 正愛 Kyoto University, 防災研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JI Xiaodong 京都大学, 防災研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 振動台実験 / サブストラクチャ法 / 非線形コントローラー / 超高層建物 / システム同定 |
Research Abstract |
本研究では,コンピュータによる数値解析と構造実験を併用して大型構造物の地震時応答を再現するハイブリッドオンライン実験手法の拡張として,構造物の地震時応答を最も直接的に再現しうる振動台実験にサブストラクチャ法を適用することによって,大規模構造物に対する地震時応答を過度の縮小模型を使うことなく振動台上で再現する仕組みを構築する.具体的には,長周期地震動を受ける高層建物の応答と損傷を振動台でどう再現しうるかという課題を設定する. 以上の背景に基づいて,本研究では下記の4ステップからなる研究計画を立案した.(1)「コンクリートマス-履歴ダンパー-積層ゴム支承」からなる機構を用いたサブストラクチャ構造物の構築:(2)「非線形コントローラー」の整備:(3)「リアルタイムフィードバック制御」機構の開発:(4)「高層建物に対するサブストラクチャ法振動台実験」の実施. 初年度である本年度では,(1)に取り組むとともに(2)に着手した.主たる成果は下記の通りである.(1)では,コンクリートマスと履歴ダンパーと積層ゴム支承から構成される機構(これを層要素と呼ぶ)を設定し,これを実験部分に接続させることによって,固有周期特性を調節するとともに,振動台の揺れを増幅して長周期地震動を生成する仕組みを考案した.またここでは,"generic algorithm"を用いて,所定の揺れと構造特性を確保するために必要なマス,ダンパー,支承の特性を同定する手法を整備した.上記の層要素自身が有する非線形性を加味したうえで,所定の応答を得るための(振動台)入力の同定が必要となるが,(2)において,これを実現するための"minimum control synthesis(MCS)algorithm"の適用法を試作した.
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