2009 Fiscal Year Annual Research Report
金属ランダムフォトニックナノ構造の創製と光マニピュレーション
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08F08402
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 勝久 Kyoto University, 工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MENG Xiangeng 京都大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 金属ナノ構造 / 表面プラズモン / ランダムレーザー |
Research Abstract |
平成21年度の研究は、試料作製においては金属微粒子をランダムに微粒子が存在する系を作製し、挙動を調べた。特にAgを分散させた試料について重点的に実験を行い、誘電体微粒子を分散した系との違いを発振閾値に注目して調べた。微粒子として金属を使用するほうが誘電体微粒子に比ベランダムレーザー発振閾値が下がることが分かり、ランダムレーザー開発における金属ナノ微粒子の誘電体に対する優位性が示された。 金属微粒子として球状粒子のほかに液相法によりプリズム状の粒子(ナノプリズム)を作製し、形状によるランダムレーザー発振挙動の違いを観察した。反応溶液中の水溶性高分子(ポリビニルピロリドン)量および銀の種結晶(シード)溶液量を調整することでナノプリズムの粒子サイズを制御し、局在表面プラズモンの共鳴周波数を制御することに成功した。ナノ微粒子の形状を制御することで微粒子表面に立つ局在表面プラズモンの共鳴周波数を制御し、それを通じてランダムレーザーの発振周波数を制御できる可能性があることが示された。 FDTD法を用い、ランダムレーザー発振のシミュレーションをおこなった。ランダム構造中でのモードの分布をシミュレーションした。 液相法をもちいてコアーシェル構造をもつナノ微粒子を作製し、発光特性を調べた。 これらの結果は原著論文3報、国際学会発表2報、国内学会発表1報にまとめた。 以上より、今年度は当初の目標どおりの結果を得ることができた。
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