2009 Fiscal Year Annual Research Report
シンクロトロン放射光3Dイメージングに基づくイメージベース破壊解析
Project/Area Number |
08F08405
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
戸田 裕之 Toyohashi University of Technology, 工学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZHANG Qiang 豊橋技術科学大学, 工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | シンクロトロン放射光 / CTスキャン / 歪み計測 / その場観察 / 疲労破壊 |
Research Abstract |
申請者は、これまでに材料中のミクロ組織のサブミクロンレベルの高分解能三次元像を、シンクロトロン放射光X線コンピュータートモグラフィー(CT)で撮像することに成功した。これをもとに、これまで透明な材料や表面でしか測定できなかった内部の局所力学量(例えば歪み、応力、き裂進展駆動力など)の三次元高密度マッピングに初めて成功してすでに幾つかの論文にしている。本研究では、構造材料のミクロ構造の三次元分布をシンクロトロン放射光X線CTで撮像し、材料の局所特性を加味した力学モデルを構築し、大規模な数値力学解析を行う。これにより、従来は単純化した数学モデルや数値計算でしか評価されなかった材料の力学的性質が、ミクロ組織の影響を忠実に考慮したイメージベースのものとなり、飛躍的に高度で効率的な材料組織設計、プロセス設計が可能となる。今回は、これをポアを含む先端材料に適用して実施する。本年度は、昨年度の実験準備、計算解析の環境作り、計算解析のアルゴリズム検討に引き続き、SPring-8での利用許可を得て実際にシンクロトロン放射光実験を行った。 まず、微小ポーラス材料のその場観察を行い、汎用パッケージソフトウェアーであるMATLABを用いた計算解析を実行した。また、得られた画像を3D描画ソフトウェアーであるVGSudio Maxで解析した。さらに、K吸収端差分イメージングによる材料内部の化学成分3Dマッピングに関し、画像の位置合わせ、画素差分、亜鉛濃度分布の解析を行い、材料内部の4D亜鉛マッピングに成功した。 これらの結果は、ポーラス材料の局所的なミクロ組織と破壊というローカルな現象を結び付ける重要な知見を与える。本研究では、次年度、さらに詳細な解析を追加実施する。
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Research Products
(2 results)