2009 Fiscal Year Annual Research Report
ヒドロキシメチルフルフラール生産のためのバイオマス糖グリーン変換プロセスの開発
Project/Area Number |
08F08406
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
SMITH Richard Lee Jr. Tohoku University, 大学院・環境科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
QI Xinhua 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | イオン液体 / バイオマス / フルクトース / HMF / 固体触媒 |
Research Abstract |
化石資源の枯渇が現実味を帯び、その価格高騰・供給不安は今後益々拍車がかかることが見込まれる。この現状を打破するために、循環型資源であるバイオマスの有効利用をおいて他ない。特に、地球上最も豊富に存在する糖質を効果的に化学原料に転換するプロセスの開発は、今後の化学産業にとって重要である。糖から一段で合成できる化合物の中で、フラン環を有するヒドロキシメチルフルフラール(HMF)はプラスチックス原料や製薬の中間体として使用できる価値の高い化合物であり、その高効率な合成法の確立が望まれている。申請者はこれまで非プロトン性極性溶媒中、イオン交換樹脂などを触媒とし、マイクロ波加熱にてフルクトースを加熱することで9割の収率でHMFを合成できることを見出した。このプロセスの実用化には、等量反応の実現と効率的な分離が欠かせない。 申請者はこれまで非プロトン性極性溶媒中、イオン交換樹脂などを触媒とし、マイクロ波加熱にてフルクトースを加熱することで9割の収率でHMFを合成できることを見出した。このプロセスの実用化には、等量反応の実現と効率的な分離が欠かせない。そこで本研究では、従来の知見を最大限に活用しつつ、反応と分離を組み合わせ、平衡制約の緩和と高効率分離による100%反応の実現を試みた。イオン液体のイオンペアとバイオマスの反応性に関して検討を行ってきた【実績1:Qi et al., ChemSusChem, 2009, 2(10) : 944-946】。相関結果をもとに、フルクトースからのHMF合成に最適なイオン液体の選定および合成行い、従来の変換法と比較して高いHMF収率への変換に成功した【実績2:Qi et al., Green Chemistry, 2009, 11(9) : 1327-1331(Cover paper)】。更なる収率向上に向けて、固体触媒(TiO2やゼオライト、イオン交換樹脂等)の添加、アセトンなどの有機溶媒を加えた場合の影響について検討を行った。【実績3:Qi et al., Catalysis Communications, 2009, 10 : 1771-1775】。これらの研究は権威ある英字論文Green Chemistryの表紙を飾るなどからわかるように、国際的にも高い評価を得ている。
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Research Products
(3 results)