2008 Fiscal Year Annual Research Report
多分化能を有するヒト幹細胞の分化制御を目指した培養面設計
Project/Area Number |
08F08407
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田谷 正仁 Osaka University, 基礎工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KIM Mee Hae 大阪大学, 基礎工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 生物・生体工学 / 細胞・組織 / 再生医療 / 分化制御 / 間葉系幹細胞 / グルコース提示 |
Research Abstract |
培養面による細胞形態抑制は,細胞形態と機能の発現を解明するうえで重要である.これまで,D-グルコースを培養面に提示することで,細胞表面上のグルコーストランスポータとの親和性により,ヒト乳腺上皮細胞や軟骨細胞の形態を制御できることを示した.本申請課題では,「多分化能を有するヒト幹細胞の分化制御を目指した培養面設計」を目指し,幹細胞の培養における組織再構築過程の現象を解析し,培養組織を対象とした細胞分化抑制の方法論構築を試みた. 平成20年度では,グルコース提示型デンドリマー培養面を作成し,培養面表層に呈示されたグルコースと細胞表層のグルコーストランスポータを介する細胞固定,形態制御の可能性を検討するとともに,細胞形態および分化抑制機構を考慮した分化制御面の設計を行った.グルコース型デンドリマー培養面上でヒト間葉系幹細胞を培養したところ,デンドリマー世代数の増加とともに,丸い形態を示す細胞の頻度が高くなり,世代数5からは球状の集塊を形成することが分かった.また,培養7日目の細胞を用い,種々の細胞分化マーカーに対して評価した結果,グルコース提示型デンドリマー面上で伸展した細胞は骨格筋に特異的なdesminが陽性であることが確認されたが,世代数5以上のデンドリマー面上では形成された細胞集塊では軟骨細胞の分化マーカーであるII型コラーゲンが陽性であることが確認された.以上の結果から,デンドリマーの提示密度を変化させた培養面により細胞形態を制御することが可能になり,骨格筋筋芽細胞や軟骨細胞への選択的な分化誘導が可能であることが示された.
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Research Products
(4 results)