2009 Fiscal Year Annual Research Report
バイオマスタールの酸化的水蒸気改質反応による高濃度水素生成の新技術
Project/Area Number |
08F08408
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鈴木 憲司 Nagoya University, エコトピア科学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 春山 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | バイオマス / ガス化 / タール / 改質反応 / 触媒 / 水素 / 合成ガス |
Research Abstract |
本研究の目的は、バイオマスのガス化で副生するタールから水素ガスを得る高性能改質反応触媒を開発することである。改質反応用触媒として一般に使用されるNiを触媒に選び、各種担体について評価を行った。本研究ではタールの模擬物質としてトルエンを用いた。まず、天然素材のドロマイト(mCaCO_3・nMgCO_3)を担体とした場合、Ni担持法の違いによりトルエン転化率、CaCO_3/(MgCO_3)比の違いによりCO、CO_2選択率の異なることが判明した。次に、マイエナイト(Ca_<12>A1_<14>O_<33>)に担持したNi触媒(Ni/(Ca_<12>A1_<14>O_<33>))について評価した。改質反応で重大な課題としてNi表面でのコーキングが知られる。マイエナイトを担体とした場合は顕著なコーキングが観察されず、触媒活性の長時間に渡る維持が認められた。マイエナイトは構造中にO^-、O_2^-、O_2^<2->等の酸素ラジカルを吸蔵しており、それらの酸素ラジカルがマイエナイト表面に吸着する炭素を酸化除去し、絶えずクリーンな表面を維持しているものと考えられた。また、タールに含まれるH_2Sに対する耐被毒性について調べたところ、市販のアルミナ(A1_2O_3)やカルシア・マグネシア(CaO/(MgO))担持触媒に比べ優れていることがわかった。マイエナイトを担体として使用する場合、その比表面積の大きさが重要となる。従来、マイエナイトの比表面積は数m^2/gであり、その拡大化が求められた。本研究において、水熱法と低温加熱を組み合わせた調製法から80m^2/g程度の比表面積を有する高比表面積マイエナイトの製造に成功した。高比表面積マイエナイトは酸素ラジカルめ席占有率が1.5倍に増加し、触媒活性も増大した。更なる活性を有する触媒開発を目指してCaをSrで置換したストロンチウムマイエナイト(12SrO・7A1_2O_3)について調べた結果、ドロマイトやマイエナイト担持触媒より高活性であることが判明した。
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Research Products
(18 results)