Research Abstract |
まず,アジア全域の広翅目(ヘビトンボ類およびセンブリ類)およびラクダムシ目の分類学的研究を完結させるために,日本国内では国立科学博物館(東京),千葉県立中央博物館(千葉),大阪自然史博物館(大阪),愛媛大学昆虫学教室(松山),国外では大英博物館(ロンドン),中国農業大学昆虫学教室(北京),中国科学院(北京),北京市立自然史博物館(北京),ベルギー王立自然史博物館(ブリュッセル),パリ自然史博物館(パリ),メキシコ国立自治大学昆虫学教室(メキシコシティー)を訪問し,所蔵されている標本の調査を行った.また,北海道大学昆虫学教室,南アフリカの博物館,オーストラリアの博物館に所蔵されている標本を郵送により借用した.それらの標本に基づき,新種の記載とこれまで形態的特徴が不明であった種の再記載を行った.次に,日本産,中国産,メキシコ産の広翅目昆虫類の16S rRNAとCOI領域の塩基配列を決定し,系統樹の作成を行った.しかし,信頼性の高い系統樹を得るためにはさらに多くの種に関して調査を行う必要がある.最後に,性的二型に関する調査を行った.オスの大顎や頭部がメスに比べて著しく伸長する種に関して,アロメトリーによる比較を行い,グループ間で体の大きさの性的二型と大顎などの大きさに関する性的二型の関係が異なることが明らかになった,今後,性的二型の進化パターンを,系統樹に基づいて検討する予定である.
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