2009 Fiscal Year Annual Research Report
日本中央部の硝酸リーチング勾配に沿った森林生態系の窒素自然存在比変動
Project/Area Number |
08F08421
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
楊 宗興 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
FANG Yunting 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | 窒素沈着 / 窒素飽和 / 森林 / 降水 / 窒素安定同位体比 / 酸素安定同位体比 / 渓流水 / 亜熱帯中国 |
Research Abstract |
大気から負荷される窒素化合物のために本来窒素欠乏であった陸域生態系が窒素過剰となってしまう窒素飽和と呼ばれる環境変化が我が国および世界の森林で進行している。このような環境変化の実態の理解と将来予測のため、安定同位体比を手法に用いながら、当初申請課題を含む以下の3件の調査・研究を行った。 1.多摩川水系渓流水のNO_3^-濃度と窒素同位比の地理的分布 本年度は多摩川水系渓流25地点の調査を2回行い、主要成分濃度ならびに酸性度を測定し、かつて15年ほど前に実施した同様の調査データと比較解析するための結果を得た。同時に、渓流水、土壌、植物に含まれる窒素成分の窒素安定同位体比の測定を研究室の学生と共に行い、その結果の一部は専門誌Rapid Communications in Mass Spectrometryに公表した。 2.亜熱帯中国の大気沈着窒素勾配に沿った林生態系の窒素自然存在比変動 大気沈着窒索勾配に沿った14林分で優先植物種の葉、土壌、渓流水中の窒素成分の窒素安定同位体比、窒素成分濃度、窒素無機化・硝化速度等を測定し、窒素過剰に伴う同位体比変動を検討した。上記(1)で見出されたものと同様の有意な窒素存在比変動が見出され、結果は現在国際誌に投稿中である。 3.亜熱帯中国における降水中NO_3^-成分の窒素・酸素安定同位比の季節変化 これまで低緯度域では報告例のないNO_3^-の窒素・酸素安定同位体比のモニタリングを大気窒素汚染の著しい広州において一年以上にわたり実施した。結果は国際ワークショップでポスター発表するとともに、論文投稿を準備中である。
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Research Products
(6 results)