2008 Fiscal Year Annual Research Report
花器の左右相称性と花粉形質によるアルストロメリア科植物の新たな育種素材の探索
Project/Area Number |
08F08424
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
荒木 肇 Hokkaido University, 北方生物圏フィールド科学センター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SARWAR A. K. M. Golam 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 外国人特別研究員
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Keywords | アルストロメリア科植物 / ボマレア / レオントキール / 花粉 / Alstroemeria / 電子顕微鏡 |
Research Abstract |
アルストロメリア科は、花き園芸作物のアルストロメリアを含み、園芸的に重要な植物群である。近年、種間雑種により多くの品種が作られているが、それらの系統関係や交雑親和性を評価するための分類体系は未整理の状況にある。そこで、野生種および交雑によって得られた種間雑種の花粉形態に着目し、花粉の微細構造からその類縁関係および交雑親和性について考察しようとする新しい試みを遂行中である。アルストロメリア科のアルストロメリア野生種、アルストロメリア種間雑種、ボマレア属植物の花粉を収集し、固定後、電子顕微鏡観察のための材料調整を行っている。植物材料として、北海道大学の温室で栽培した数種を用いて条件設定を行った。 また、より多くの植物種を調査するため、イギリスの王立植物園キューガーデンより標本を取り寄せて、サンプルの収集を行った。アルストロメリアでは国内有数の収集家である育種家を千葉県に訪ね、花粉材料提供の依頼と行い、春から夏の開花時期にサンプルを収集する計画を進めた。南米の植物を多く収集していることで知られるアメリカのミズーリ植物園ともコンタクトを取り、平成21年度の材料収集の渡航計画を進めている段階にある。 これまで、本研究のための材料収集について準備を進め、アルストロメリア科の3属(アルストロメリア属、ボマレア属、レオントキール属)についてすでに網羅的に集めることができた。園芸的に重要な品目であるアルストロメリア科植物においてこのような網羅的な花粉分析の例はなく、今後得られる花粉形態から見た類縁関係の研究成果は斯界に大きなインパクトを及ぼすものと考えられる。
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