2010 Fiscal Year Annual Research Report
ハイスループットRNAi法によるイネいもち病菌のゲノム機能解析
Project/Area Number |
08F08426
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
中屋敷 均 神戸大学, 農学研究科, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
NGUYEN Quoc Bao 神戸大学, 農学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | RNAサイレンシング / RNAi / イネいもち病菌 / ポストゲノム / 病原性遺伝子 |
Research Abstract |
当研究室で構築されたハイスループットRNAiベクターpSilent-Duall (pSD1)を用いて、植物細胞壁分解酵素を対象としてサイレンシングによる機能解析を試みた。本研究では,40~50bpの配列を対象遺伝子から抽出し、それをつなげた合成遺伝子をサイレンシングトリガーとするBuilding Blocks法を用いた。対象とした遺伝子群は、細胞壁加水分解酵素であるxylanaseおよびcellobiohydrolase遺伝子ファミリーである。コムギいもち病菌のxylanaseサイレンシング株では病原性が低下していたが、細胞観察の結果、野生株に比べ貫穿糸形成が有意に抑制され、HR誘導の割合が増加していることが明らかとなった。また、垂直侵入後の水平的な感染拡大の速度も低下しており、xylanase遺伝子群が本菌の角皮侵入および病斑拡大の両方に機能していることが示唆された。一方、cellobiohydrolaseサイレンシング株においても病原性の低下がやや見られたが、貫穿糸形成率の低下より、パピラ形成誘導の割合が増加しており、これらの酵素群が本菌の異なった感染場面で機能している可能性が示唆された。
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