2010 Fiscal Year Annual Research Report
酸化ストレスや金属毒性等に耐性や誘導性を示す野生植物の遺伝子群の解析と応用
Project/Area Number |
08F08428
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
江崎 文一 岡山大学, 資源植物科学研究所, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KOTTAPALLI J. 岡山大学, 資源植物科学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 野生植物 / メリケンカルカヤ / 重金属ストレス / アルミニウムストレス / 一酸化窒素 / 耐性機構 / ストレス応答機構 / 酸化ストレス |
Research Abstract |
メリケンカルカヤは、Al、Zn、diamideなどの金属ストレスや酸化ストレスに耐性を示す野生植物である。本研究では、他のイネ科植物と対比しながら、その高い金属耐性機構を解析した。 1)一酸化窒素(以下、NO)は、植物の環境ストレス等でシグナル伝達物質として機能することが報告されているが、メリケンカルカヤや他の3種類の植物ではAl、Cd、Cr、Cu、Znなどの金属ストレスで生成されるのか、またどのような役割を持つのかを検討した。その結果、NOはAlストレス下で顕著に発生したが.このような生成は他の植物では見られなかった。また、メリケンカルカヤでは、CdとZn処理でNO生成が見られたが、Cr、Cu処理では生成が認められなかった。さらにNOの生成を誘導させる前処理を施した後にAl処理してみたところ、脂質過酸化の発生はある程度抑制できたものの、核DNAの断片化に変化が無かったし、根の伸長阻害も変わらなかった。以上のことから、NO自体の耐性機構での効果は限定的だと思われた。 2)これまでにメリケンカルカヤから、Alストレス誘導遺伝子ABC transporter (AP18-2-1)を、またAl耐性遺伝子S-adenosyl methionine syntase (SAMS)(AL3A-4)をコードする遺伝子を得ている。酵母形質転換体では、イネのSAMSはAl、Cd、Znに対して耐性を示した。一方、トウモロコシ由来のABC transporterはdiamideに対しては耐性を示したものの、Cu、Znには逆に感受性を示すという結果となり、両遺伝子は金属ストレスや酸化ストレスの耐性機構や毒性機構に関連することが示唆された。さらに詳細な機能解析のために、両者の完全長cDNAをメリケンカルカヤより単離し、これらをシロイヌナズナへの導入した。現在、ホモザイゴートを得るための継代中である。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Aluminum tolerance associated with enhancement of plasma membrane H+-ATPase in the root apex of soybean.2010
Author(s)
Kim, Y.S., Park, W., Nian, II., Sasaki, T., Ezaki, B., Jang, Y.S., Chung, G.C., Bae, H.J., Ahn, S.J.
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Journal Title
Soil Science Plant Nutrition
Volume: 46
Pages: 140-149
Peer Reviewed
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