2008 Fiscal Year Annual Research Report
メナキノン新規生合成経路酵素群の機能と構造に関する研究
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08F08429
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
葛山 智久 The University of Tokyo, 生物生産工学研究センター, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徐 悦 東京大学, 生物生産工学研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | menaquinone / biosynthesis / Thermus thermophilus / crystallization |
Research Abstract |
メナキノンは、超好熱菌、Thermus thermophilusにおける呼吸鎖で働く電子伝達に利用される唯一のイソプレノイドキノンである。最近になって、本菌から、メナキノンの新規経路、フタロシン経路が発見された。本研究では、この新規経路に関与する生合成酵素の機能と構造を明らかにすることを目的とし以下の結果を得た。1.新規経路に関わると予想される酵素遺伝子を検索した結果、TTC0006,TTC0188,TTC0240,TTC0451,TTC0452,TTC0727,TTC1203,TTC1291,TTC1503,TTC1553を候補遺伝子を見いだした。そこでこれらの遺伝子について、大腸菌用ベクターpET26b^+にクローニングした大腸菌における発現系を構築した。2.それぞれの遺伝子を発現させるため、大腸菌の形質転換体を培養してIPTG添加によって発現を誘導した結果、TTC0452(機能未知)、TTC0727(機能未知)、TTC1291(オクタプレニルジリン酸合成酵素)、そして、TTC1203(脱水酵素)の発現と精製に成功した。その他の遺伝子については、本条件では発現しなかった。3.精製したタンパク質の結晶化を開始し、リン酸二水素ナトリウムとリン酸二水素カリウムを含むpH7.5の緩衝液中で微細結晶を得た。4.TTC1553は、オクタプレニル4-ハイドロキシベンジル酸脱炭酸酵素と予想され、おそらく、メナキノン生合成における最後の反応を触媒すると考えられる。これを証明するため、まずは、TTC1553の遺伝子破壊株の作製を試みた。その結果、本破壊株は必須遺伝子であり、培地にメナキノン4を添加したときのみ生育が可能であることが分かり、TTC1553がメナキノン生合成に関与することが明らかになった。
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