2010 Fiscal Year Annual Research Report
メナキノン新規生合成経路酵素群の機能と構造に関する研究
Project/Area Number |
08F08429
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
葛山 智久 東京大学, 生物生産工学研究センター, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
XU Yue 東京大学, 生物生産工学研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | メナキノン / 生合成 / ポリプレニルジリン酸合成酵素 / 結晶構造 / 高度好熱菌 / ファルネシルチオジリン酸 |
Research Abstract |
本研究課題では、高度好熱菌Thermus thermophilusと放線菌を用いて、生体にとって重要なメナキノンの新規生合成経路の全容を明らかにするとともに、その生合成酵素の結晶構造を基に触媒機構の解明を目指した。T.thermophilusのポリプレニルジリン酸合成酵素(TTC1291)については、平成21年度に引き続き、より高解像度のX線回折データを得るために、結晶化条件のスクリーニングを行った。また、平行して、該酵素の基質であるファルネシルジリン酸のアナログ分子、ファルネシルチオジリン酸を化学合成し、このアナログ分子との共結晶のスクリーニングを実施した。また、もう一つの基質であるイソペンテニルジリン酸との共結晶のスクリーニングも実施した。その結果、構造解析に適した大きさの結晶が得られたので、高エネルギー研究所のX-線回折装置を用いて解析データを収集するとともに、解析ソフトを用いて結晶構造解析を進めた。最終的に、イソペンテニルジリン酸との共結晶の構造を2.8オングストロームの解像度で解くことに成功した。一方で、基質アナログであるファルネシルチオジリン酸との共結晶を得ることはできなかった。次に、放線菌、Streptomyces sp CL190株のポリプレニルジリン酸合成酵素と推定されるNphNの機能解析を行った。その結果、大腸菌で発現させた組換え酵素NphNは、イソペンテニルジリン酸とジメチルアリルジリン酸からゲラニルジリン酸を合成する酵素であることが判明した。次に、本酵素の酵素学的パラメータを算出したところ、イソペンテニルジリン酸とジメチルアリルジリン酸に対するK_0値は、それぞれ、10.7μMと65.4μMであり、K_<cat>値は0.51s^<-1>であった。
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