2009 Fiscal Year Annual Research Report
クルマエビウイルス感染症発症メカニズムに関する研究
Project/Area Number |
08F08434
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
廣野 育生 Tokyo University of Marine Science and Technology, 海洋科学技術研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DANG Lua Thi 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | クルマエビ / WSV / ホワイトスポットウイルス / ゲノム / RNA干渉 / 免疫 / 生体防御 / 温度感受性 |
Research Abstract |
試験には主に10-15グラムのクルマエビを使用し、飼育は水温と感染に関する実験以外は25℃に設定し、飼育水循環式により行った。クルマエビゲノムにコードされている7種類の遺伝子のサイレンシングを行い、WSVを人為的に感染させ、これら7種類の遺伝子発現がWSV感染によって誘導されるかどうかを調べたところ、7種類の遺伝子のうち6種類の遺伝子でWSV感染により遺伝子発現が誘導されることが明らかとなった。次いで、これらの遺伝子がWSV感染によるクルマエビ死亡に必須であるかどうかについてRNA干渉により調べたところ、コントロール区(GFP遺伝子に対する2本鎖RNA接種)と優位な差はみられなかった。WSVゲノム上にコードされているホモログ遺伝子がWSVの発症に必要であるかどうかについて、今年は2種類の遺伝子を選び、RNA干渉により機能阻害を行ったところ、WSVの人為感染による死亡率が低下した。このことから今回調べたWSVゲノム上にコードされている2種類のクルマエビ遺伝子ホモルグ遺伝子はWSVの病原性(感染、増殖あるいは発症)に関与していることが示唆された。以上の研究成果は国際誌に投稿中である。 クルマエビの飼育温度とWSV感染との関係について明らかにするために15℃、20℃、25℃、28℃、30℃および33℃でクルマエビを飼育し、WSV感染試験を行ったところ、死亡率に差が見られた。このことから、水温がWSVの病原性あるいはクルマエビの免疫機能に関与していることが示唆された。
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Research Products
(1 results)