2009 Fiscal Year Annual Research Report
浅海養魚場における環境に優しい複合エコ養殖のモデリング
Project/Area Number |
08F08435
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
門脇 秀策 Kagoshima University, 水産学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RAHMAN M. Mustafizur 鹿児島大学, 水産学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 複合エコ養殖 / アワビ養殖 / 海藻による水質浄化 / 微生物分解 / 冷凍コンテナ / 泡沫分離装置 / 小規模陸上養殖 / 低コスト |
Research Abstract |
●平成21年度の研究成果は、環境に優しい複合エコ養殖のモデリングのために、本学臨海実験地に冷凍断熱コンテナを再利用し、家庭用エアコンで温度調節した小規模循環式陸上養殖システムを構築・検証した。コンテナ内にはアワビ飼育槽、微生物ろ過槽、泡沫分離槽、アオサ培養槽の各水槽を設置し、2009年5月から12月まで循環式で長期間飼育可能であることが実証できた。研究内容は養殖アワビの摂餌、成長および排泄を定量化し、海藻の機能と効果、アワビのシェルター効果および浮遊微生物に及ぼす泡沫分離の効果を明らかにしたことに意義がある。 ●研究面では、研究成果をRahman M.M.博士と共同でまとめ、2009年10月に第8回日本水産増殖学会大会でポスター発表、2010年3月に平成21年度日本水産学会春季大会で口頭発表した。世界における魚介類の陸上養殖の現状と課題について、日本の陸上養殖研究者と意見交換し貴重な情報を得た。 ●産業面では、アワビ陸上養殖の最新の現況と課題についての情報を得るために、静岡県焼津市魚市場に設置されている深層水を利用した半閉鎖循環式アワビ養殖施設を訪問見学し、聞き取り調査を行なった。調査結果として、アワビ養殖に使用する深層水の利点は、1トン10円と安価であり、微生物が少なく清浄であるが、欠点は、塩分濃度が高く酸素濃度が低いため通気が必要である情報を得た ●今後に残された小規模循環式陸上複合エコ養殖の研究課題は1)飼育生物の糞や残餌の簡便な除去方法、2)アワビの成長と味に好適なコンブ目やワカメ目の生鮮餌料をいかに低コストで安定的に供給入手できるかが、ランニングコストを低下し、消費を拡大するうえで重要なポイントであるといえる。
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Research Products
(3 results)