2009 Fiscal Year Annual Research Report
ハノイ近郊農地における土壌および作物の重金属汚染とその排出源に関する研究
Project/Area Number |
08F08438
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大坪 政美 Kyushu University, 大学院・農学研究院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
NGUYEN HUONG Thi Lang 九州大学, 大学院・農学研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | ハノイ / 農地土壌 / 重金属汚染 / 河川底泥 / 水質 / 粘土分 / ベトナム |
Research Abstract |
ハノイ市を流れるTo Lich川とKim Nguu川の小河川の水と底泥は著しく汚染されている。この二つの河川は合流してヌエ川となる。この河川の底泥は,上の二つの河川の影響を受けて汚染されている可能性が高い。延長40kmに及ぶこの河川は農地の中を流れており,灌漑用水として使われている。本研究の目的は,ハノイのヌエ川底泥の重金属汚染を調べ,汚染されている灌漑水の農地への影響を評価することである。ヌエ川の6箇所から40個の底泥試料を,また80個の農地土壌試料を2009年1月に採取し,含まれる重金属濃度を測定した。ヌエ川の底泥の汚染は著しく,重金属濃度は以下のようになった。Cu:71-420mg/kg,Pb:77-433mg/kg,Zn:150-350mg/kg,Cd:0.7-8.7mg/kg,Cr:8-583mg/kg,Ni:32-70mg/kg。底泥中の重金属濃度と2μm以下の粘土分との間には有意な正の相関が認められた。農地土壌中の重金属濃度は以下のような値となった。Cu:44-206mg/kg,Pb:35-182mg/kg,Zn:109-194mg/kg,Cd:0.1-4.6mg/kg,Cr:50-204mg/kg,Ni:20-60mg/kg。これらの濃度はすべて近辺の汚染されていない土壌のバックグラウンド値より高かった。
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