2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08F08441
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
牧野 義雄 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SIRIPATRAWAN Ubonrat 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 外国人特別研究員
|
Keywords | 農業環境工学 / 分光分析 / 微生物 |
Research Abstract |
青果物はビタミン類、繊維質等健康維持のために必要な成分を摂取するための重要な食材である一方、国内外では食中毒菌の媒介に関与する商品として認識されつつある。このことから、食中毒を未然に防ぐための方策として、簡便かつ迅速に食中毒菌の種類と菌数を判定できる技術を開発することが有効と考えられる。そこで本研究では、食品の非破壊検査法として広まりつつある近赤外分光分析による微生物検査法に関する研究を行うことを目的とした。 本年度は純粋な培養系を用いた研究を行った。大腸菌Escherichia coli(Migula 1895)K-12株を独立行政法人製品評価技術基盤機構から購入し、供試菌株(NBRC 3301)とした。1白金耳の供試菌株をLysogeny Broth(LB)培地に接種した後、35℃、18時間バイオシェーカーにて振とう培養し、実験試料とした。実験試料は分光吸光スペクトル測定と菌数検査に供し、分光吸光スペクトルは島津UV3600紫外/可視/近赤外分光光度計を用いて、菌数検査は、3Mペトリフィルム培地(生菌数測定用)を用いて行った。 可視および近赤外領域の吸光度は、液体培地単位容量当たりの細菌数の増加とともに上昇したことから、この波長範囲の分光分析は、細菌数の定量に有効であると考えられた。しかし、1400nm以上の波長範囲では、分光吸光スペクトルが不安定となったことから、細菌数の定量に適する近赤外光の範囲が限られることが明らかになった。これは、培地の溶媒として用いた水が長い波長の光を吸収しやすいため、急激に吸光度が増加し、スペクトルが不安定になったためと考えられた。
|