2008 Fiscal Year Annual Research Report
ネギ属植物に由来する2PTSおよびNPTSの多機能性とその実用化に関する研究
Project/Area Number |
08F08445
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
大和 修 Kagoshima University, 農学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHANG Hyesook 鹿児島大学, 農学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 機能性 / ニンニク / タマネギ / 有機チオ硫酸化合物 |
Research Abstract |
平成20年度には、ネギ属植物(ニンニクおよびタマネギ)に含まれる含流化合物である2PTSおよびNPTSの新規機能性を解析する目的で以下のような実験を行った。数年前に、2PTSおよびNPTSは、ラット肝ガン由来の培養細胞であるH4IIEにおいて、ガン予防効果を示す第2相解毒酵素に属するキノンリダクターゼ(QR)活性を有意に上昇させることが明らかになったが、その他の第2相解毒酵素であるエポシキドヒドララーゼ(EH)、グルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)およびUDP-グルクロノシルトランスフェラーゼ(UDPGT)活性に関しては影響を及ぼさなかった。したがって、今回は、これら第2相解毒酵素群のmRNA量をリアルタイムPCRにて測定し、2PTSおよびNPTSが有する機能性としてガン予防効果について再評価した。評価に用いた試料は、H4IIE細胞の総RNAから作成した保存cDNAであり、内在性コントロールとしてグルクロニダーゼを用いて、各酵素の発現量を内在性コントールとの比で表した。今回、リアルタイムPCRにて測定した第2相解毒酵素群は、QR、EHの1型酵素(EH1)、GSTのA5型酵素(GSTA5)およびUDPGTの1A1型酵素(UDPGT1A1)であった。実験の結果、2PTSはQRおよびEH1の発現量を有意に上昇させたが、GSTA5およびUDPGT1A1の発現は上昇させなかった。また、NPTSにはいずれの酵素の発現も上昇させなかった。したがって、2PTSにはガン予防効果が存在することが、リアルタイムPCRを用いて再確認された。
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Research Products
(1 results)