2009 Fiscal Year Annual Research Report
ネギ属植物に由来する2PTSおよびNPTSの多機能性とその実用化に関する研究
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08F08445
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
大和 修 Kagoshima University, 農学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHANG Hyesook 鹿児島大学, 農学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 機能性 / ニンニク / タマネギ / チオ硫酸化合物 |
Research Abstract |
本研究は、当初予定されていた実験動物を用いた2PTSおよびNPTSの抗メタボリック症候群に関する実験が、実験動物施設の設備上の問題で実施できなかったため、予備的に計画していた培養細胞を用いたDNA損傷に対する予防効果(放射線防御効果)に関する実験を行い、次のような成果を得た。 1.ラット肝腫瘍由来細胞(H4IIE細胞)に対する放射線防御効果 2PTSあるいはNPTSを1~50μMの存在下でH4IIE細胞を48時間培養した後、10Gyの放射線を照射して、培養細胞が受けたDNAの損傷の程度についてコメットアッセイを用いて評価した。その結果、2PTSおよびNPTSはコメットアッセイにおける値(Tail moment)を低下される効果があり、その効果は用量依存性であった。 2.L5178Y細胞に対する放射線防御効果 L5178Y細胞に対してもH4IIE細胞と同様の実験を実施した。まず、L5178Y細胞は、H4IIE細胞に比較して放射線に対する感受性が高い傾向を示した。2PTSおよびNPTSのL5178Y細胞に対する放射染防御効果は、H4IIE細胞に対する効果よりもさらに顕著に現れた。 以上の成績から、2PTSおよびNPTSには、放射線によるDNA損傷に対する防御効果があり、腫瘍の発生に対する抑制効果があると考えられた。前年度までに明らかにした第II相解毒酵素誘導効果とともに、これらの化合物は、相加相乗的にガン予防に寄与するものと推察された。
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Research Products
(1 results)