2008 Fiscal Year Annual Research Report
過剰発現と機能抑制によるイネアンチポータータンパク質の機能解明
Project/Area Number |
08F08447
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
田中 淨 Tottori University, 農学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
UDDIN M. I. 鳥取大学, 農学部, 外国人特別研究員
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Keywords | アンチポーター / 過剰発現植物 / 機能抑制植物 / イネ / シロイヌナズナ / 塩耐性 / 乾燥耐性 / 冠水ストレス |
Research Abstract |
イネを乾燥、高塩、冠水処理することにより誘導される遺伝子として、液胞膜表面に存在し、アンチポーターを制御することにより、細胞質から液胞への塩輸送に関わる可能性のある遺伝子(OsARP:アンチポーター制御タンパク質遺伝子)を始めて単離した。本タンパク質の機能をより明らかにし、塩や乾燥耐性作物作出を目指した研究を行う。今年度は未知遺伝子の機能を明らかにするために、ゲノム構造が解明され、種々の遺伝子機能抑制変異体の人手が容易なモデル植物シロイヌナズナを用いて、本遺伝子の機能について検討した。また、本遺伝子を過剰発現させたイネの作出も試みた。 イネから単離したOsARPと高い相同性を示す遺伝子がシロイヌナズナゲノム上に3個存在することが確認された(ARP1,2,3)。ARP3がストレス誘導性であることが報告されている。我々はARP1,2,3をそれぞれ機能抑制したシロイヌナズナ、ARP1,2,3をそれぞれ過剰発現させたシロイヌナズナの作成を試み、ゲノムPCRにより、機能抑制と過剰発現の確認に成功した。現在は、タンパク質レベルの発現の確認、多重変異と多重過剰発現体の作出、乾燥・塩に対する耐性の評価、植物体内への塩の吸収量の測定等の生理実験を検討している。OsARPをイネ、コムギで高発現させるための発現ベクターを既に構築し、イネとコムギの形質転換についても着手した。 アンチポーター制御タンパク質(ARP)により調節されるタンパク質をイネ、シロイヌナズナから特定するために、ARPを大腸菌で高発現させて、大量のARPを調製し、ARPアフィニティーカラムを用いて単離したARP結合タンパク質の中から、ARPが制御するアンチポーターを特定、単離についても検討した。
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Research Products
(3 results)