2008 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム損傷認識に関わるXPCタンパク質のリン酸化による機能調節
Project/Area Number |
08F08449
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
菅澤 薫 Kobe University, 自然科学系先端融合研究環バイオシグナル研究センター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
TAK Yon-Soo 神戸大学, 自然科学系先端融合研究環バイオシグナル研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | ヌクレオチド除去修復 / XPC / リン酸化 |
Research Abstract |
ヌクレオチド除去修復の損傷認識に関わるXPCタンパク質のN末端から883、884番目のセリン残基はHeLa細胞核におけるリン酸化タンパク質の網羅的解析によりリン酸化を受けることが報告されているが、その意義はまだ分かっていない。そこで本研究はXPCタンパク質のリン酸化が持つ生理的な意義を明らかにすることを目的としている。そのために、まずこれらのリン酸化部位を特異的に認識する抗体を作製することにした。2か所の標的部位は連続しているため、883、884番の各々単独のリン酸化セリン、および883と884番の連続したリン酸化セリンを含む3種類のペプチド抗原を合成し、それらに対するウサギポリクローナル抗体を作製した。得られた抗体を用いて細胞内でのXPCタンパク質のリン酸化を調べるため、XPC欠損細胞を親株としてFLAGタグXPCを安定に発現する細胞株から抗FLAG抗体による免疫沈降後、ウェスタンブロットを行ったところ、両リン酸化部位を同時に検出するp883/884抗体でXPCタンパク質が特異的に認識されることが分かった。更にそのバンドはセリン/スレオニンフォスファターゼ処理をすると検出できなくなったことから、XPCタンパク質の883、884番セリン残基が細胞内で実際にリン酸化されることが確認された。これらのリン酸化部位はカゼインキナーゼ2(CK2)の標的となる配列に相当することから、CK2がXPCの883、884番セリン残基のリン酸化を行っていることが予想される。今後CK2特異的なリン酸化反応であることを確かめるため、CK2の阻害剤やsiRNAで細胞を処理しウェスタンブロットで確認する予定である。また883、884番セリン残基をリン酸化ミミックアミノ酸や非リン酸化アミノ酸に変化させた突然変異体を作製し、リン酸化によるXPCタンパク質の制御に関して研究を進める。
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