2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08F08452
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
上西 潤一 京都薬科大学, 薬学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PALIMKAR Sanjay Sambhajirao 京都薬科大学, 薬学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 天然化合物 / 全合成 / 癌 / 構造活性 / 選択的反応 / Pd-catalyst / マクロラクトン / テトラヒドロピラン |
Research Abstract |
アピクラレンAはがん細胞に対してナノモルレベルの濃度で殺細胞毒性を有する数少ない強力な抗がん活性天然化合物であり、多くの科学者の注目を集めてきた。その構造は12員環マクロライド化合物であり、サリチル酸部分とおよびトランステトラヒドロピラン環を環構造内に有する極めて特異で堅牢な構造をもつ化合物である。その全合成における研究代表者のアプローチは、PdCl_2(CH_3CN)_2を触媒に用いるエンド型環化反応を用いるジヒドロピラン環形成であり、この反応では完壁な立体制御で進行させる事が出来た。次にジヒドロピラン環上のアルケンをα側から位置選択的に水酸基を導入する必要があった。この立体および位置選択的反応は水銀トリフラートを用いるオキシ水酸化続く還元反応により達成することができた。N-アシルジエナミド部分の構築は、過去に報告された全合成で最も大きな問題で、非常に収率の悪いステップであったが、これをヨウ化銅を等量使用する事で90%の収率で目的を達成する事ができた。そして最終的にアピクラレンAの全合成を完成する事が出来た。 アピクラレンAの構造活性相関はこれまでNicolaouおよびMaierらの各グループによりいくつか行なわれて来たが、C-11位周辺の構造活性相関は行なわれてこなかった。本研究でその誘導体を別途合成し、がん細胞に対する殺細胞毒性を測定来た結果、その中でC-10およびC-11位間が不飽和結合でつながれている誘導体が、アピクラレンAと同等もしくはやや高い活性を示す傾向を見出した。
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Research Products
(3 results)