2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08F08457
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡山 博人 The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
QUIMING Kan 東京大学, 大学院・医学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | DNA損傷チェックポイント / Cdc6 / Cdk2 / p21 / p53 / S期 |
Research Abstract |
本研究は、最近当研究室で発見した複製開始因子Cdc6の新規機能、すなわちp21によって阻害されたCdk2をATP依存性に活性化する機能、の分子機構を明らかにすることによって、癌や分化にかかわる細胞増殖の制御の根底機構の解明に資することを目的とする。 細胞増殖の開始には、p27によって阻害されたCdk4やCdk2の活性が必須である。したがって今年度は、p27により阻害されたCdk2をCdc6によりATP依存性に活性化できるか否かを中心に検討した。当研究の開始から6ヶ月を経過したばかりで実験は現在進行中であるため、完全な結論には至っていないが、以下の暫定結果を得た。1.培養細胞を用いた実験で、細胞外マトリックスへの接着を阻害するとp27依存性にCdk2の不活化がおこる。2.この際、Cdc6を過剰発現させるとその発現が持続している間Cdk2は活性化の状態に維持される。3,p21で阻害されたCdk2を活性化できる量のCdc6では、p27で不活化されたCdk2を活性化できない。以上の暫定結果から、恐らくCdc6はp27で阻害されたCdk2を活性化できる能力を持つ。しかしながら、Cdc6あるいはp27にリン酸化等の修飾を受ける必要がある。現在、p27のリン酸化部位のセリンあるいはスレオニン残基をグルタミン酸に変えたリン酸化擬似p27を作製し試験管内でのCdc6による活性化が起こるか否かを検討中である。
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Research Products
(1 results)