2008 Fiscal Year Annual Research Report
CD8陽性制御性T細胞を利用した炎症性腸疾患治療へのアプローチ
Project/Area Number |
08F08460
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鈴木 治彦 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ENDHARTI Agustina Tri 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 制律性T細胞 / 炎症性腸疾患 / CD8陽性 / モデルマウス / T細胞養子移入 |
Research Abstract |
1.IL-10ノックアウトマウスを用いた炎症性腸疾患モデルマウスについて IL-10ノックアウトマウスは、成長するに従って炎症性腸疾患が進行し、下痢、血便を呈するようになる。このノックアウトマウスの新生児期に、他の成熟同系アウスから採取したCD8+CD122+制御性T細胞を養子移入し、その後の腸炎発症の経緯を無処置のIL-10ノックアウトマウスと比較する形で観察した。その結果、CD8+CD122+制御性T細胞を養子移入したマウスにも無処置のIL-10ノックアウーマウスと全く同様の下痢、血便、体重減少が見られることから、IL-10ノックアウトマウスモデルでは、CD8+CD122+制御性T細胞の養子移入は効果がないことがわかった。 2.RAG-2ノックアウトマウスへのCD4+CD45RB+細胞移入モデルについて リンパ球を欠くRAG-2ノックアウトマウスに、正常マウスから採取したCD4+CD45RB+細胞を移入するとやはり炎症性腸疾患を誘導することができる。このモデルに対してCD4+CD45RB+細胞を移入すると同時に、他の同系マウスから採取したCD8+CD122+制御性T細胞を移入してその効果を見た。その結果、CD8+CD122+制御性T細胞を併せて移入したマウスでは、CD4+CD45RB+細胞を単独で移入したマウスよりも明らかに下痢、血便、体重減少の程度が改善され、腸管の組織学的観察においても粘膜下への炎症性細胞浸潤の程度が軽いという現象が観察された。このCD4+CD45RB+細胞移入モデルでは、CD8+CD122+制御性T細胞が炎症性腸疾患の症状改善に効果を持つことが強く示唆された。
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Research Products
(4 results)