2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08F08461
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
本庶 佑 Kyoto University, 医学研究科, 客員教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
TAO Zhimin 京都大学, 医学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 抗体遺伝子 / ゲノム不安定 / UV架橋 / 免疫沈降 / マイクロアレイ |
Research Abstract |
Tao博士は、本年1月に着任して以来、慎重に研究プロジェクトについて議論をした結果、AIDのターゲットRNAの同定を試みるプロジェクトを開始した。このターゲットを同定することにより、AIDによる抗体遺伝子のクラススイッチ組みかえ、および発癌のしくみが一段と明らかになると思われる。その方法の概要は、野中らによって報告されたAIDとメッセンジャーRNAのUV架橋法にもとづくものである。具体的には、B細胞セルラインにHisタグAIDを発現させ、細胞内でUV架橋によりmRNAとAIDを結合させる。その後、mRNAと結合したHisタグAIDタンパクをニッケルビーズにより精製し、蛋白を消化した後結合していたmRNAを精製する。同じ操作をクラススイッチを起こさないAID変異体についても行い、両者のmRNAについてマイクロアレイ法等で比較し、AIDのターゲットRNAを同定する予定である。以前にも免疫沈降法などによりAIDのターゲットRNAを同定する試みを繰り返してきたが、AIDに非特異的に結合するRNAとクラススイッチのためのRNAターゲットを見極めることができず、成功に至らなかった。今回の方法ではAIDに結合するRNAのうち、クラススイッチ活性特異的なものを変異体との比較により選択しようと試みている。現在、このために必要なベクターの構築を終え、マイクロアレイ用のmRNAの精製にとりかかっており、研究は順調に進んでいる。
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