2010 Fiscal Year Annual Research Report
免疫制御機構再構築による炎症性腸疾患の生物学的治療法の開発
Project/Area Number |
08F08462
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉開 泰信 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
孫 遜 九州大学, 生体防御医学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | CD30 ligand / 炎症性腸疾患モデル / Th17 / Th1 / T細胞機能分化 |
Research Abstract |
TNFファミリーのCD30リガンド(CD30L)は樹状細胞、活性化B細胞のみならず活性化T細胞に多く発現され、そのレセプターであるCD30は活性化T細胞に発現されていることから、T細胞機能分化や増殖促進、維持に関与していると考えられる。我々はすでにマウス炎症性腸炎モデルにおいてTh1型ハプテン誘導性腸炎(trinitrobenzene sulfonic acid (TNBS)-induced colitis)がCD30LKOマウスでは軽減し、Th2型であるオキザゾロン誘導腸炎(oxazolone (OXA)-induced colitis)が悪化することを報告した(Gastroenterology. 134 : 447-458, 2008)。CD30L/CD30シグナリングがTh1/Th2応答を抑制していることが考えられる。今回、我々はCD30LKOマウスおよびCD30KOを用いたin vitroでのT細胞の機能分化実験でCD30L/CD30シグナルがTh17細胞の産生に重要であることを明らかにした。CD30からのシグナルはアポトーシスを制御することによって、CD30LからのリバースシグナルはIL-2の産生を抑制することによってTh17細胞の分化増殖を促進すると考えられる。(J.Immunol 185 : 2222-30, 2010)。この成果を基盤に、CD30-免疫グロブリン融合蛋白(CD30-Ig)でのCD30L/CD30シグナルの阻害実験でデキストラン硫酸(DSS)誘導炎症性腸疾患モデルを制御することに成功した。この研究成果はJ.Immunol. 185 : 7671-7680, 2010に報告した。
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Research Products
(4 results)