2008 Fiscal Year Annual Research Report
ロタウイルスの遺伝学的多様性と種間伝播に関する研究
Project/Area Number |
08F08463
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
小林 宣道 Sapporo Medical University, 医学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GHOSH Souvik 札幌医科大学, 医学部, 外国人特別研究員
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Keywords | ロタウイルス / 種間伝播 / 動物 / 遺伝子再集合 / 系統 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ヒト由来のA群ロタウイルスで非定型的性状を有するもの、および動物ロタウイルスについて遺伝子解析を行い、動物ロタウイルスのヒトへの感染の様態を明らかにすることである。今年度研究対象としたのは中国でヒトから分離されたR479株と、インドでウシから検出されたB群ロタウイルスである。R479株は中国では稀な抗原性G4P[6]を有しており、亜群I、II両方の抗原性を持つユニークな特徴を有していた。R479株のG4を規定するVP7遺伝子の配列を決定し、遺伝学系統を解析すると、従来のG4ヒトロタウイルスの系統には属さず、ブタ由来ロタウイルスGottfried株に近いことが分かった。P[6]を規定するVP4遺伝子も従来より知られるP[6]ヒトロタウイルスとは遺伝学的に距離を保っていたが、関連性の高い動物ロタウイルスは判明しなかった。さらに本ウイルスの全遺伝子分節について遺伝子配列を決定し、既知の遺伝子配列とともに系統解析を行なった。その結果、VP6遺伝子はブタロタウイルスの系統に属し、NSP3遺伝子はウシロタウイルスの系統に属しており、他の遺伝子分節はヒトロタウイルスの系統に属していた。すなわちR479株は、ブタロタウイルス由来のVP6,VP7とウシロタウイルス由来のNSP3を持つことがわかり、少なくとも2種の動物(ブタ、ウシ)からの人へのロタウイルス感染と、ヒトロタウイルスの間での遺伝子再集合を経てできたウイルスであると考えられた。ウシ由来B群ロタウイルスについては現在までに5種類の遺伝子分節のクローニングに成功し、現在配列の決定を行なっている。今後、ヒトロタウイルスとの遺伝学的関連を解析する予定である。
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Research Products
(3 results)