2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08F08466
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
久保 裕司 東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HE Mei 東北大学, 大学院・医学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 呼吸器病学 / 糖尿病 / 肺胞上皮細胞 / 肺気腫 / 分化 / 老化 |
Research Abstract |
Receptor for advanced glycation end-products (RAGE)は肺でクローニングされ,肺組織で強発現しているにもかかわらずその肺における役割は明らかではない.一方,他臓器においては糖尿病合併症やAlzheimer病への関与が知られ,RAGEは加齢に伴う疾患に対し大きな影響を持つと考えられる.本研究の目的は,高齢者肺疾患のおけるRAGEの役割を明らかにする事である。平成20年度は肺気腫病変とRAGEの関係について研究を進め,RAGEシグナルが欠損した肺胞II型上皮細胞の分化能が低下し,肺の気腫病変,および肺の老化に影響を及ぼすことが明らかとなった.平成21年度は,肺傷害モデルにおけるRAGEの役割を解析した.高齢者に多い重症肺炎モデルであるLPS肺傷害における,RAGEシグナルの関与を解析した(論文作成中).この肺傷害後の気腫化にRAGEの関与が認められ,RAGEは高齢者肺炎における組織修復障害の治療ターゲットとして有用である可能性が示唆された。一方,塵肺モデルであるシリカ肺傷害モデルでは,その炎症過程と線維化過程にRAGEの影響を認めなかった.これらのことは,刺激の種類により肺疾患におけるRAGEの役割が異なることを示している.この研究過程において,RAGEを介したアポトーシス細胞認識機能のメカニズムが示唆され,平成22年度その解析を進めた.その結果,RAGEが新たなアポトーシスレセプターであることを明らかにし,その成果をEMBO Reportsに報告した.本成果は大変注目され,同ジャーナルの"Hot off the press"コーナーで紹介された.
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Research Products
(5 results)