2008 Fiscal Year Annual Research Report
長寿社会における住環境の快適性向上のための音環境の評価とアセスメント手法の開発
Project/Area Number |
08F08508
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
佐藤 洋 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 人間福祉医工学研究部門, 研究員
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RYU Jongkwan 独立行政法人産業技術総合研究所, 人間福祉医工学研究部門, 外国人特別研究員
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Keywords | 長寿社会 / 音環境 / 住宅 / 床衝撃音 / 低周波音 / 不快感 / 最小可聴閾値 / 騒音 |
Research Abstract |
本研究の目的は長寿社会における住環境の快適性向上のための音環境の評価とアセスメント手法の開発することである。今年度は高齢者にとって,音環境が生活の質にどのように影響するかについて,1)居住空間を含んだ室内外空間での騷音の評価、2)環境音の物理的特性と感覚的特性との関係の解明を行った.具体的には,住環境の音環境要素として住宅の床衝撃音及び住宅における低周波騒音の測定及び評価を対象に研究を行った. 床衝撃音に関しては若齢者及び高齢者を被験者として木造住宅床の床衝撃音遮断性能の評価実験を行った.木造住宅における床衝撃音測定を実施し,測定結果をサンプルとして用いた実験室における感覚量測定を行い,感覚量と測定した物理量の関連性を調べ,不快となる物理的レベルを求めた.低周波騒音に関しては不快感等の苦情を訴えている居住者宅の現場測定を行った.その結果,苦情原因が非常に低レベルの低周波音または周波数の高い騒音を低周波音と感じていることがわかった.低いレベルの低周波音に関してはこれまでISOで規定されている最小可聴閾値が参考として参照されてきた.しかし実在の複合的な低周波音に対して,純音を用いて測定された最小可聴閾値が適用できるかどうかの確認が必要である.そこで,実験室内において実在騒音に近い複合騒音に対する最小可聴閾値を計測した.その結果,複合音の場合,純音の場合と比してより小さな音を感じることができることが明らかとなった.したがって,複合音はISOで規定されている閾値を下回る場合があり,低周波音の検知がこれまでの常識を下回る領域で起こることが明らかとなった.
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Research Products
(4 results)