2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08F08608
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
田原 太平 The Institute of Physical and Chemical Research, 田原分子分光研究室, 主任研究員
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MONDAL Sudip Kumar 独立行政法人理化学研究所, 田原分子分光研究室, 外国人特別研究員
|
Keywords | 非線形分光 / 先端計測 / 界面 / フェムト秒 / 電子スペクトル |
Research Abstract |
受け入れ研究室である理研・田原分子分光研究室が開発したマルチプレクス電子和周波(ESFG)分光法を用いて研究を行った。このESFG分光法では、照射光として増幅したフェムト秒チタンサファイアレーザーの出力とそれによって発生させたフェムト秒白色光を用い、また信号光検出にはCCDによるマルチチャンネル検出を用いて、液体界面分子の電子スペクトルをこれまでにない高いS/Nでしかも短時間に測定することができる。この方法は、現時点において、開発者であるわれわれにしか用いることができない。このわれわれ独自のESFG分光では、さらに、ヘテロダイン化を行うことによって、二次の非線形感受率の自乗(|x^<(2)>|)ではなく、二次の非線形感受率そのもの(x^<(2)>)の実部と虚部のスペクトルを測定できるようになっている(HD-ESFG法)。HD-ESFG法によって測定できるようになった一光子非共鳴・二光子電子共鳴条件での界面分子のx^<(2)>の虚部スペクトルは、直接、溶液中の紫外可視吸収スペクトルと定量的に比較することができる電子スペクトルである。そこで、空気/水界面のクマリン分子のHD-ESFGスペクトルを高いS/Nで測定し、そのスペクトル形とバンド幅を、溶液中で測定した紫外可視スペクトルのそれと定量的に比較した。分子がそれぞれの環境で感じている相互作用の広がり(溶媒和エネルギーの分布)は、電子スペクトルのバンド幅に反映される。そこで、水溶液から測定された紫外可視吸収スペクトル(x^<(1)>スペクトル)と空気/水界面で測定されたHD-ESFGスペクトル(x^<(2)>スペクトル)のそれぞれに対して、無極性溶媒中の測定から求められたスペクトル関数と、ガウス関数で近似した分布関数のたたみ込みでフィッティングを行い、水中と空気/水界面における溶媒和による相互作用の広がりを求めた。
|
Research Products
(3 results)