2010 Fiscal Year Annual Research Report
シリコン/希薄窒化物半導体へテロ接合の高品質化と薄型結晶シリコン太陽電池への応用
Project/Area Number |
08F08612
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
坂田 功 独立行政法人産業技術総合研究所, 太陽光発電研究センター, 研究チーム長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SWAIN Bibhu Prasad 独立行政法人産業技術総合研究所, 太陽光発電研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 分子線エピタキシー法 / GaPN / 光学特性(フォトルミネセンス) / 容量-電圧測定 / n型高濃度ドーピング / ゲルマニウム基板 / 少数キャリア寿命評価 / 表面不活性化 |
Research Abstract |
GaPN膜へのn型ドーピングを行った。ドーパントとしてシリコンを選び、フォトルミネセンス測定、ショットキー接合を用いた容量-電圧測定から、ドーピングに伴う膜特性の変化、ドナーとしてのシリコンの活性度を検討した。シリコンの活性度が、窒素組成の増加に伴い急激に低下することを見出した。例えば、窒素組成1%では、活性度は5%であった。また、膜の深さ方向でシリコンの活性化率に分布があり、活性度が低い領域は絶縁膜に近い状態になるため、MIS-likeな容量-電圧測定が観測される場合があることを見出した。高濃度ドーピングに必要な薄膜作成条件を検討し、必要な準備を完了したが、現時点では、シリコンを用いたGaPN膜への高濃度n型ドーピングは実現できていない。 前年度に引き続き、GeSi/希薄窒化物半導体ヘテロ接合形成・評価の検討を行い、キノン-ハイドロキンのメタノール溶液によるゲルマニウム基板の表面不活性化の機構として、(1)メタノール溶液由来のSi-O-C結合によるGe表面の未結合手の終端、(2)表面吸着層が負に帯電することで引き起こされたGe表面のupward band bendingが重要であることを明らかにした。 本研究の目標の一つである希薄窒化物半導体ヘテロ接合の薄型結晶シリコン太陽電池用BSF構造への適用に向けて、太陽電池構造の検討を行った。GaPN膜への高濃度n型ドーピングを実現した後、セル試作を行う予定である。
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