2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08F08615
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
徐 強 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, ナノテクノロジー研究部門, 主任研究員
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SINGH Sanjay Kumar 独立行政法人産業技術総合研究所, ナノテクノロジー研究部門, 外国人特別研究員
|
Keywords | 水素 / 水素貯蔵 / エネルギー / 燃料電池 |
Research Abstract |
水素エネルギー社会の構築には、高効率水素貯蔵技術の確立が必要不可欠である。これまで、水素吸蔵合金、ケミカルハイドライド等各種水素貯蔵材料が検討されてきたが、重量・体積当たりの水素密度が低いこと、リサイクル性、反応速度、分離・回収技術等様々な問題が存在し、これら諸問題の克服が期待されている。本研究では、重量・体積当たりの水素密度が高い窒素系水素化物の優れた性質に着目し、高性能化学的水素貯蔵技術の確立を目的としている。高い水素密度を有する窒素系水素化物の水素放出を促進するためには、一連の金属化合物を出発物として用いて触媒の調製を行った。その中で、数種類の金属ナノ粒子が、窒素系水素化物の水素放出反応に、比較的低い温度において高い触媒活性を示すことを見出した。さらに、X線構造解析や電子顕微鏡解析により、触媒の構造や形態及びそれらと触媒活性との相関関係についての情報を得た。また、触媒調製において、添加物の使用により、粒子系を小さくし、より高活性のナノ粒子触媒の合成ができることを明らかにした。本窒素系水素化物によって、高い重量・体積密度の水素貯蔵が可能であり、且つ比較的低い温度において高い速度で水素を放出することが可能である。本反応の実用化のためには、揮発性副生物の発生を抑止する必要があり、その実現のために、触媒活性・選択性等の性能向上に取り組んでいる。
|