2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08F08616
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
見学 美根子 Kyoto University, 物質-細胞統合システム拠点, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ROBENS Jeffrey 京都大学, 物質-細胞統合システム拠点, 外国人特別研究員
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Keywords | 小脳顆粒細胞 / ニューロン移動 / MRCK / 微小管 / アクトミオシン |
Research Abstract |
2008年度、移動中の小脳顆粒細胞で、アクトミオシン系と安定型微小管の分子間相互作用について解析を行った。発生中の小脳で、顆粒細胞はその移動方向を保つために必要である安定型微小管の極性分布を維持する。当初は中心体がこのプロセスで重要な役割を演じると考えられていたが、我々の研究室は中心体と独立したメカニズムの関与を示唆する結果を報告した。我々は最近、アクトミオシンの収縮が安定型微小管の移動と極性分布のために必要であると確認し、現在この制御に関わる分子機構を詳細に明らかにしようとしている。セリン/トレオニンキナーゼMRCKが線維芽細胞で極性移動を制御することは知られていたが、ニューロン移動でのその役割はまだ不明である。MRCKがミオシン軽鎖のリン酸化によって直接アクトミオシン収縮を制御することから、我々はMRCKが安定型微小管の極性分布を制御し、細胞移動の定向性を維持すると仮説を立て検証してきた。その結果、内在性のMRCKが顆粒細胞の細胞体前方および先導突起において安定型微小管と並走して分布することが明らかになった。さらに、ドミナント-ネガティブ変異体の強制発現により、これらの細胞内での極性が阻害されること、MRCKの強制発現により、細胞移動が促進されることを見出した。以上により、MRCKがアクトミオシン収縮を通して小脳顆粒ニューロンの極性の維持に重要な役割を果たすことが明らかになった。現在、器官培養系を用いた変異分子導入またはRNAiノックダウンにより、MRCKの組織内における機能を解析している。
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