2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08F08616
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
見学 美根子 Kyoto University, 物質-細胞統合システム拠点, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ROBENS Jeffrey 京都大学, 物質-細胞統合システム拠点, 外国人特別研究員
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Keywords | 小脳顆粒細胞 / ニューロン移動 / MRCK / 微小管 / アクトミオシン |
Research Abstract |
2009年度においては、移動中の小脳顆粒細胞を用い、アクトミオシン系と安定型微小管の相互作用についての解析を行った。発生過程の小脳において顆粒細胞は極性移動を行っており、そのために必要な安定型微小管の極性を持った配置を維持している。これまでに、私はブレビスタチンによるアクトミオシン収縮の抑制により、安定型微小管の局在が損なわれることを明らかにした。さらに最近、制御型ミオシン軽鎖(RMLC)が母中心小体でリン酸化されていることを発見した。このリン酸化はミオシンの活性化にとって重要なものであり、アクトミオシンによる収縮が中心体で何らかの役割を担っていることを示唆するものである。またRMLCのリン酸化は微小管が生産される母中心体でのみに選択的に観察されるので、アクトミオシンの収縮性が微小管骨格の配列を制御しているという前述の発見と関連していると思われる。現在、MLCKやMRCKなど、中心体におけるミオシン軽鎖のリン酸化に関与すると思われる酵素の働きを調べているところである。また、今後、リン酸化がされなくなるRMLCの変異体を利用することで、アクトミオシン活性が中心体や微小管へ与える影響を直接調べる。さらに、中心体や微小管成長端のマーカー分子(Centrin2およびEB3)を使用し、アクトミオシン活性の制御が中心体と微小管のダイナミクスに与える影響を、生細胞を用いて観察する。これらの実験により、小脳顆粒細胞の極性移動において、アクトミオシン活性が、中心体のダイナミクスと微小管骨格の局在とのそれぞれに与える影響を個別に調べることができると考えている。
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