2010 Fiscal Year Annual Research Report
落花生の連鎖地図の作成とオレイン酸含有量に関わる選抜マーカーの同定
Project/Area Number |
08F08617
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Research Institution | Kazusa DNA Research Institute |
Principal Investigator |
磯部 祥子 (財)かずさDNA研究所, 植物ゲノム部, 主任研究員
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KOILKONDA Padmalatha 財団法人かずさDNA研究所, 植物ゲノム研究部, 外国人特別研究員
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Keywords | 植物 / 育種 / ゲノム |
Research Abstract |
落花生は油脂作物としそ世界中で栽培されているが、品質の安定性のため、酸化しにくいオレイン酸(脂肪酸の一種)の含有量を高めることが求められている。一方、落花生は異質4倍体で栽培品種間のDNA多型が極めて低いことが知られており、連鎖地図などゲノム解析に必要な情報の蓄積が少ない。そこで本研究では落花生の連鎖地図を作成し、オレイン酸含有量に関わる選抜マーカーを同定して成分育種のための育種ツールを開発した。 昨年度までに、オレイン酸含有量に関する2つの選抜マーカー(FAD2AとFAD2B)および「ナカテユタカ」「YI03-11」間で多型を検出するゲノムワイドな64のDNAマーカーを同定した。この中から両親間で多型が安定して検出される34のDNAマーカーおよび選抜マーカーを利用して、オレイン酸含有量に関する領域は「八103-11」型でそれ以外の領域が「ナカテユタカ」型となるように選抜を行った。 現在「ナカテユタカ」による戻し交雑を2回、自殖を5回行ったBC_2F_5世代の種子を採種中である。ゲノムワイドなDNAマーカーによる遺伝子型解析の結果、BC_1F_3世代(108個体)においてはオレイン酸含有量に関わる領域以外のナカテユタ型のゲノムの割合は33.3%~75.0%であり、平均で64.8%だった。一方、BC_2F_4世代においては、オレイン酸含有量に関わる領域以外のナカテユタ型のゲノムの割合は85.3%~95.6%であり、平均で91.7%だった。ゲノムワイドな選抜マーカーを用いなかった場合、供試BC_1F_3世代に2回戻し交雑することで、ナカテユタ型のゲノムの割合期待値は91.2%に、3回戻し交雑することで95.6%となる。一方、本研究では1回の戻し交雑でナカテ型のゲノム割合を平均91.7%,最高95.6%まで高められたことから、通常の育種に比べて1~2年の期間短縮を図れたことが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Large-scale development of EST-derived SSR markers and diversity analysis in Arachis spp.
Author(s)
Padmalatha Koilkonda, Shusei Sato, Satoshi Tabata, Kenta Shirasawa, Hideki Hirakawa, Hiroe Sakai, Shigemi Sasamoto, Akiko Watanabe, Tsuyuko Wada, Yoshie Kishida, Hisano Tsuruoka, Tsunakazu Fujishiro, Manabu Yamada, Mitsuyo Kohara, Shigeru Suzuki, Makoto Hasegawa, Hiroyuki Kiyoshima, Sachiko ISOBE
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Journal Title
Molecular Breeding
Volume: (Accepted)
Peer Reviewed
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