2009 Fiscal Year Annual Research Report
RNA干渉法を用いたウイルス抵抗性イネの作出とその抵抗性機構の解析
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08F08618
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Research Institution | National Agricultural Research Organization |
Principal Investigator |
笹谷 孝英 National Agricultural Research Organization, 中央農業総合研究センター・昆虫等媒介病害研究チーム, 主任研究員
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LE Dung Tien 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 中央農業総合研究センター・昆虫等媒介病害研究チーム, 外国人特別研究員
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Keywords | イネラギッドスタントウイルス / イネグラッシースタントウイルス / RNA干渉法 / 遺伝子組換えイネ |
Research Abstract |
現在、ベトナムをはじめとする東南アジア全域においてイネラギッドスタントウイルス(RRSV)およびイネグラッシースタントウイルス(RGSV)が大発生し、東南アジアの食料安定生産に影響を及ぼしている。ウイルス病の防除には抵抗性品種を用いることが有効な方法であるが、両ウイルスに対する有望な抵抗性品種は存在しない。RNA干渉法はウイルス遺伝子の発現を抑制する有効な方法であり、特に、ウイルス感染の初期に発現するウイルス遺伝子をRNA干渉法で抑制すると、強いウイルス抵抗性を示すことが知られている。そこで、RNA干渉法を用いた遺伝子組換えウイルス抵抗性イネの開発を試みる。 定法に従い、RRSVあるいはRGSV感染イネからRNAを抽出し、RRSVの12遺伝子あるいはRGSVの12遺伝子の5'末端の500塩基をそれぞれ増幅するプライマーを用いてRT-PCRを行って、目的の遺伝子を増幅した。増幅したPCR断片をRNA干渉を誘導するpANDAベクターにそれぞれ導入した。これらのベクターをアグロバクテリウム法によってイネの日本晴に形質転換し、RRSVおよびRSGVの各遺伝子を個々に抑制する組換えイネを作出した。これらの遺伝子組換えイネのウイルスに対する抵抗性検定を行ったところ、導入遺伝子の違いによってウイルス抵抗性の程度に差異があることを明らかにした。また、アジアで問題となっている9種類のウイルスを特異的に診断するためのRT-LAMP法を開発した。
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