2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08F08701
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
橋本 周司 Waseda University, 理工学術院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BUNDZEL M. 早稲田大学, 理工学術院, 外国人特別研究員
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Keywords | Hierarchical Temporal Memory / memory-prediction model / computer vision / object recognition / temporal data mining / stereovision / mobile robot / environment mapping |
Research Abstract |
階層的一時記憶(Hierarchical Temporal Memory:HTM)はNumentaのJeff HawkinsとDileep Georgeによって開発された機械学習モデルであり、ベイジアンネットワークに似た大脳皮質の構造的特性をモデル化したものであるが、具体的なシステム化の研究はほとんどない。本研究は、HTMに基づいてロボットの視覚系の構築を目指している。 研究目標は人間の指示なしに、モバイルロボットに環境を探索させ、複数の異なった物体を認識させることである。システムは最終的にオペレーターが人間に解読可能な名前をオブジェクトに割り当てる。構築したシステムはロボットの取得した画像の時系列順に処理を行い、HTMと同様に計算ノードを連結した木構造を使用する。それぞれの計算ノードは2つのモード(学習と推定)において同じ演算を行う。まずはじめに、入力された画像データの空間構造は、比較的少ない分類クラスを用いたクラスタリングアルゴリズムによって、部分画面毎の特徴の集積として分類される。次に、時間的な構造は、空間的構造の内で出現頻度の高い特徴に基づいてデータマイニングの手法で分類される。最後に、これらの分類結果を総合して画像中の物体の識別が行われる。 提案システムの有効性を実験によって検証した。実験では2つの並列カメラによって一連の画像を取得した。一連の画像はロボットの障害物回避運動に用いられることを想定し、単一視およびとステレオ視のそれぞれについて有効性を確認した。画像の分割数、特徴クラスタ数などパラメータの最適化は現在検討中である。 システムプログラムの構築および実験環境の整備に時間を要し成果発表が遅れたが、これらの成果は、論文「Object Identification in Dynamic Images Based on the Memory-Prediction Theory of Brain Function,」として、Journal of Intelligent Learning Systems and Applicationsに投稿済みである。また、国内学会(ロボット学会)および国際会議での発表を予定している。
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