2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08F08702
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
吉井 昌彦 Kobe University, 経済学研究科, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
NISTOR Ioan Alin 神戸大学, 経済学研究科, 外国人特別研究員
|
Keywords | 中・東欧 / BRICs / 新興資本市場 / 比較制度分析 |
Research Abstract |
受入研究者においては、平成20年度は、本研究の初年度として、ルーマニアを含めた中・東欧新興市場国の資本市場の現況を確認するという計画に従い、平成20年12月にウィーンおよびブカレストにおいて現地調査・資料収集を実施し、現地研究者との面談を行うと共に、ルーマニア国立銀行、ブカレスト証券取引所等の現地機関を訪問し、中・東欧新興市場国のマクロ経済ならびに金融・証券市場の現況を確認し、また必要な資料収集を行った。 特別研究員においては、中・東欧新興市場国の資本市場だけでなく、ロシア等の新興市場国の資本市場に研究の対象を広げながら、その実証比較分析を行った。このような研究の成果は、平成21年2月に京都大学で行われた欧州比較経済体制学会のワークショップで報告された。 これらの研究により次のような点が明らかとなっている。 ・ルーマニアを含めた中・東欧新興市場経済のマクロ経済状況は、平成20年秋に起きたグローバル金融危機により、危機的な状況となっており、例えばルーマニアの場合、19年までの高度経済成長から一転し、21年にはゼロあるいはマイナス経済成長が予想される。 ・このようなマクロ経済の不安定化に伴い、証券市場は機能停止状態にあり、例えば、ブカレスト証券取引所の取引指数は最盛期の3分の1以下に下落している。 ・ロシア等のBRICs諸国の証券取引指数は長期(10〜12年)・短期(36〜40ヶ月)のサイクリカルな上昇・下落を繰り返しており、現在はその変動期にある。
|
Research Products
(2 results)