2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08F08705
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
石原 昌英 University of the Ryukyus, 法文学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HEINRICH Patrick 国立大学法人琉球大学, 法文学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 危機言語 / 記録保存 / 与那国語 / 言語継承 / 琉球諸島の言語 / 言語復興 |
Research Abstract |
ハインリヒは与那国島での危機言語記録保存のためのフィールドワークを3回実施し、民間伝承と言語、織物と言語、漁業と言語、社会と言語、与那国語辞典の編纂に関してビデオ録画をし、現在その編集作業中である。これらのトピックは日常生活と地域言語の関わりを示すものであり、その記録保存は危機言語の継承・復興の観点から重要である。また、ハインリヒは10月に北海道学園大学で開催された日本ケルト学会において「琉球諸島における言語復興の展望」をテーマに、与那国語を含む琉球諸島の言語がどのような危機状況にあるのか、危機からの脱却には何か必要とされるのかを、記録保存の重要性に言及しながら発表した。さらに、沖縄県内において、同様な内容の講演を複数回おこない、広く県民に琉球諸島の言語が直面している問題について言語と文化、継承言語、言語復興の観点から、当該研究の重要性について説明した。石原とハインリヒは琉球大学で開催されたシンポジウムの「人の移動と言語」セッション及び継承言語に関するワークショップを企画運営した。シンポジウムでは、琉球諸島の言語が現在どのような状況にあるのかを中心に議論した。ワークショップでは、危機言語となっている継承言語について議論したが、ハインリヒは「語彙記録保存」を発表し、石原は「言語記録保存の倫理的側面」を発表した。特に、ワークショップでの諸発表は危機言語の記録保存の重要性および方法等に関するものであった。なお、シンポジウム及びワークショップでの発表は出版に向けて編集作業を進めている。
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